なんかいい感じ。

いろいろある毎日だけど、いい感じ、を見つけていこう。

長年怖かった古い雛飾り

自分のために新しく用意された雛人形は持っていなかった。最近の子どもには「6ポケット」って言うけど、私が産まれた頃には母方の祖母一人しかおらず、両親も貧しかったから「1ポケット」だったからだろう。

母が手作りした雛飾りでお祝いしていたらしいけど、写真でも残っていないし、全く記憶にない。小学生、中学生になって、友達の家で立派な雛人形を見ても特に羨ましくはなかった。だって怖かったから。

いつだったか、母が田舎から母の雛飾りを持ち帰ってきた。古い雛人形とお雛さまの掛け軸が数本だった。それもなんだか怖くて、飾らないように頼んだ。

先日片付けをしていて、その母の雛人形と掛け軸が出てきたので、今日は外気に当て、埃を払って、数十年ぶりにきちんと向き合った。あんなに怖かったのに、私が歳をとったせいか、怖いどころか、古いものが持つ特別な味わいがよくて、少し気分が上がった。


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掛け軸はたくさんあるけど、破れたり染みがあったりで、一番人気綺麗なものがこれ。


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これも掛け軸。切り込みが入っていて、紙人形を差し込むかたちになっている。

色彩が綺麗。


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もうボロボロだから自力でお直してするつもり。私からみて曾祖母のものだとか。

ずっと昔から、娘たちの幸せや健やかな成長、災いが降りかからないようにと願って用意し飾られたお雛さま。その想いを粗末に扱ってはいけないなと思った一日でした。